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[原題]Is Bitcoin Really the Next Internet?
原文記事: CoinDesk - Is Bitcoin Really the Next Internet?
著者: Ariel Deschapell 翻訳: fixer

初めてビットコインと出会う誰もが、それがどのように機能するのか、そしてそれが何を意味するのかを理解する必要がある。

前者は比較的学ぶのが容易であるが、後者は人によって異なる意見が散見される。「ビットコインは次世代インターネットなのか」という問いはニュース記事や熱心な議論の背後にある問題のようである。

起業家でありビットコイン支持者でもあるMarc Andreessenは、多くの投資家がビットコインをインターネットと同等の巨大さであると考えているという、CNBCの報告による二者をほぼ見て取れるように比較した。

それは明らかに魅惑的であるにも関わらず、事の核心を突くような深刻な問題だ。ビットコインとインターネットはどのような類似性を持つのか、そしてその結論は、両者の比較から導き出すことが出来るのだろうか。

自然なメタファー


金融理論や経営の世界において、ビットコインは前例がない。その分野の人々の多くが、分散化したビットコインを代表とする暗号通貨は現代の経済においてもまた互換性があるということに懐疑的であり、非常に過激な構想だと捉えている。

インターネットはそれ故に、分散的で、オープンソースであり、開発状況も、世界規模で破壊的な打撃を与えるポテンシャルを秘めているという、全く同じ様に見えるビットコイン技術に対し明確な基準点を提供している。

少なくともこの比較は、ビットコインの技術成果の偉大さを効果的に伝えることを手助けするであろうことは間違いない。

feathercoinの共同創設者であるChris Ellisは、雄弁にその心情を表現した:

“The first thing that humanity has built that humanity doesn’t understand, the largest experiment in anarchy that we have ever had.”
人類が社会を築き上げるために成し遂げた一番最初のことは、人類の歴史で起こった無政府状態での最も巨大な実験である。

これは実際には、インターネット、「ネットワークのネットワーク」について語ったEric Schmidtからの引用である。どのネットワークも開放され、触れられる。既に私たちは、それまででは想像も出来なかったような方法で変化した出版、教育、小売、音楽、そして映画を見てきた。ビットコインはインターネットで見たその瞬間を、銀行や金融の世界でも見せてくれるのだろうか。

ビットコインを中央で制御することが出来ないという事実を考えると、「無政府状態での実験」は適切な表現のように思える。たとえビットコイン/インターネットの比較によって、それが本当に便利で、技術も同じところから来ていると私たちに教えてくれるとしても、私たちはより詳細にその特性を比較する必要があるだろう。

最も大きな違い


ビットコインもインターネットも分散化されているが、それらはむしろ明確に異なる目的を果たしている。

インターネットは、電子メールなどのアプリケーションやトラフィックを無限に処理するため、汎用的なインフラとして発展した。一方ビットコインでは、中本哲史論文で述べられている「P2P電子マネーシステム」といった、かなり限定的でコアな目的がある。

究極的には、ビットコイン上に構築された殆どのサービスは、それが何らかの形で交換媒体としての第一目標を達成するのを手助けするためのものである。現在の金融インフラでは達成困難なことを達成するという目的では、ビットコインは飛躍的にその機能を超えている。

しかしながら、今、ビットコイン上に総合プラットフォームとして新たなアプリケーションを立ち上げるには厄介な制限がある。Mastercoin、Counterpartyやその他はビットコインの上で付加的な機能を構築することで限られた成功を試みてきた。

ビットコインのブロックチェインがサードパーティの目的に使用されるのを許容する特性が含まれているうちは、リソースは限られており、また過去には競合に繋がったこともある。

ビットコインは単に、インターネットのように広範囲用途のための柔軟なインフラとして機能するようには設計されていない。

ブロックチェインの可能性


しかしながら、ブロックチェインは多くの分散型アプリケーションを構築するための分散型ブロックチェインなど、ビットコインの技術基盤として使用するための可能性を秘めている。

最近では、分散型アプリケーションはビットコインの背後に真の革命があるかのようにメディアの注目を集めており、私たちは今後実に画期的な技術革新を目の当たりにすることだろう。

分散型アプリケーションは、分散型電子メール、分散型ドメインネーム、分散型スマートコントラクト(契約)、更には自律分散型企業(Decentralized Autonomous Corporations)への扉を開くだろう。BitAngelsのエグゼクティブディレクターであるDavid Jonstonはこう言った。

“[Decentralized applications or DAs] have the potential to become self-sustaining because they empower their stakeholders to invest in the development of the DA. Because of that, it is conceivable that DAs for payments, social networking, and cloud computing may one day surpass the valuation of multinational corporations like Western Union, Visa, Facebook, Google, and Amazon that are are currently active in the space.”
分散型アプリケーションの開発に投資することで出資者へ権限を与えることによって、分散型アプリケーションは自立する可能性がある。そのため、分散型アプリケーションによる決済サービス、ソーシャルネットワーキングサービス、クラウドコンピューティングサービスは現在その領域で活躍しているウエスタンユニオン、ビザ、フェイスブック、グーグルやアマゾンといった多国籍企業の評価額を上回ることも考えられる。

ゴールドマンサックスでさえ、ビットコインの背景にある技術基盤に期待出来るとの見解を示した。ビットコインの青写真の元に設計されたシステムは、本質的にかなり特異的であり、インターネットやウェブのように人間の創造性が作り出せるのと同じくらい多くのプログラムやアプリケーションをサポート出来るバックボーンの提供が可能である。Ethereumは現在まさにその前提の上に構築されている。

しかしながら、ビットコイン自体は何よりもまず、価値の交換という意味にとどまっている。ブロックチェイン技術が承認不要という革新的なプラットフォームを作成する可能性を秘めているうちは、近頃まで、このプラットフォームはメインブロックチェインとその機能から切り離される運命にあるようだった。

サイドチェイン


インターネットとの比較の議論の中でされた新たなサイドチェインの提案には、非常に大きな意義がある。

オープンソースコミュニティによってビットコインのコアコードで実装されれば、ビットコインのブロックチェインが相互に作用可能なサイドチェインを作成することが誰でも可能になるだろう。コインはある一つのチェインから他のチェインへと移動できるようになり、ビットコインとの相互運用が可能なように構築された分散システムを可能なものとするだろう。

これが意味することは、新たな分散型アプリケーションは取引にネイティブユニットを必要としないだけでなく、新しく小さな市場規模の通貨の参入からくる馬鹿げたボラティリティといった、新しい「希少性のための競争」を避けることを可能にしたということだ。

それどころか、そのようなシステムは急速な成熟が可能であり、取引や操作の母体として、より広く承認されたビットコインを活用することが出来る。同じく、そのようなシステムの有用性は直接的にビットコインの価値となり、またビットコインネットワークの持久力となるだろう。

このことが意味するのは大きい。サイドチェインはインターネットやウェブがそれで有名なように、汎用的なインフラとして承認不要な革新を許容し、可能なものとするだろう。そして最終的に、すべてはビットコインに接続されるようになるのだ。

サイドチェインは、ブロックチェイン技術が持つ無限の可能性にビットコインと共に接続するための、パズルの最後のピースなのかもしれない。

すばらしい新世界


これは、ビットコインを現在の金融インフラの能力を「ただ単純に」ではなく、遥かに凌駕する新しい電子マネーシステムにするだろう。束縛から開放された利便性と可能性による新たな分散型オンライン経済の中で、ビットコインは事実上の通貨となる。

分散アプリケーションによる経済は、停止も、規制も、あるいは政府や伝統的な企業による検閲も不可能である。全ては同様に、分散化され国境を超えたデジタル通貨で取引を行うこととなる。

サイドチェインに感謝しなければならないだろう。ビットコインは摩擦のないグローバルな決済システム、および全て一体となった分散イノベーションのためのプラットフォームになるかもしれないのだ。

「ビットコインは次世代インターネットである」は、主流派の注目を集めるため、そして世界にビットコインの可能性のインパクトを強調するための有効なスローガンだ。しかしながら私たちは、全体としてビットコインの成長と進化をより体系的な見方をする時、更に適切な比較によって、容易に明らかにすることが可能になるだろう。

インターネットというよりもむしろ、ビットコインはインターネット以前のウェブのように、インターネットのためのキラーアプリとなるだろう。分散型アプリケーションの大規模なネットワークは、ユーザーの個人情報などの搾取などよりむしろ、即時小額決済に活かされることだろう。

A new web with new rules, and new possibilities.



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